妊娠中と産後の食事

妊娠中の食事  ~バランス食がおなかの赤ちゃんへの最高のプレゼント☆~

丈夫に産んで、元気な子に育てるために

あなたは普段どんなものを食べていますか?
おなかの中の赤ちゃんは、お母さんからの栄養がすべてです。
今、お母さんが食べているもので生きています。
赤ちゃんがおなかですくすく育ち、元気に産まれてくることができるように、お母さん自身が日々の食生活を意識しましょう。

基本のバランス食

ごはんを中心に、野菜のおかず、肉・魚・豆類などのおかずを1皿ずつそろえるだけでバランス食の完成です。ごはんを中心とした和食はバランスがとれやすく、日本人の体に一番合った食事です。

  • 副 菜‥‥からだの調子をととのえる。野菜・海草・きのこなど。
  • 主 菜‥‥筋肉など、からだをつくる肉・魚・卵・豆腐・納豆など。
  • 副副菜‥‥からだの調子をととのえる。くだもの・乳製品など。
  • 主 食‥‥からだを動かすエネルギー源になる。ごはん・パン・めん類など。
  • 汁 物‥‥からだの調子をととのえる。野菜・海草・きのこなど。

妊娠初期(0~15週)の食事

つわりの時期は、食べたい時に食べたいものを、そして、消化のよいものを少しずつ食べるようにしましょう。嘔吐の激しいときには、水分補給を意識しましょう。

妊娠中期(16~27週)の食事

つわりが落ち着くと、食欲がでてきます。この時期は「バランスのとれた食事」を心がけましょう。おやつを食べ過ぎたり、つわりの時期のアンバランスな食生活を続けてしまうと、体重が急に増えたり、妊娠高血圧症候群を発症する恐れがあります。加工食品やインスタント食品など食塩を多く含む食事は避け、1日3食、規則正しく食べるようにしましょう。
また、貧血予防のために鉄分の多く含まれる食品(赤身の魚、納豆、あさりなど)を積極的に摂ることも心がけましょう。

妊娠後期(28週~出産まで)の食事

貧血、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病などの合併症があらわれやすい時期です。また、おなかも大きくなり、1度にたくさん食べられない場合は、1回の食事量を減らし、食べる回数を増やしてもいいでしょう。
また、便秘になりやすいので、食物繊維の多い食品(おからなどの豆類や切干大根など野菜類)や、ごま、ピーナッツのような種実類、腸の調子を整えるヨーグルトなども意識して摂るようにしましょう。

産後の食事  ~赤ちゃんが喜ぶおいしいおっぱいを作るために~

お母さんのおっぱいは赤ちゃんの大好物

赤ちゃんはお母さんのおっぱいが大好き。
おいしい食事を食べて、赤ちゃんが喜ぶおいしいおっぱいを作りましょう。

カロリーの摂り過ぎに注意

カロリーが高く、動物性の脂肪の多い食品の摂り過ぎは、乳管をつまらせ、おっぱいの出を悪くします。授乳中はおなかが空きやすく、甘いものが食べたくなりますが、カロリーの低いもの、バターや肉の脂身の少ないものを選ぶようにこころがけましょう。

水分補給をしっかりと

おっぱいの原料となる水分は十分に摂りましょう。ただし、甘いジュースや清涼飲料水ではなく、水や番茶などにしましょう。

貧血予防も忘れずに

出産で多量の血液が失われ、貧血になりやすくなります。産後も鉄分の多い食品の摂取を心がけましょう。

妊娠中の体重増加は、お母さんと赤ちゃんにとって望ましい量に

妊娠中は、赤ちゃんや胎盤、羊水、母体の子宮や乳房の増大などのため、適正な体重増加が必要です。妊娠中の望ましい体重増加量は、妊娠前の体型によっても異なります。下の表の推奨体重増加量を目安に、食事の内容、とり方、生活のリズムを考え体重の増え方が順調か、医師や助産師の助言を受けながら見守りましょう。

非妊娠時の体格区分 妊娠全期間を通しての
推奨体重増加量
妊娠中期から末期における
1週間あたりの推奨体重増加量
低体重(やせ)
BMI18.5未満
9~12㎏ 0.3~0.5㎏/週
ふつう
BMI18.5以上25.0未満
7~12kg 注1 0.3~0.5㎏/週
肥満
BMI25.0以上
個別対応 注2 医師に要相談
  • BMI (Body Mass Index):体重(㎏)/身長(m)²
  • 注1:体格区分が「ふつう」の場合、BMIが「低体重(やせ)」に近い場合には推奨体重増加量の上限側に近い範囲、「肥満」に近い場合には推奨体重増加量の下限側に近い範囲の体重増加が望ましい。
  • 注2:BMIが25.0をやや超える程度の場合は、おおよそ5㎏を体重増加量の目安とする。BMIが25.0を著しく超える場合には、他のリスクなどを考慮しながら、個別に対応する必要があるので、医師などに相談することが望ましい。

貧血予防のために

貧血を防ぐためには、毎日、栄養のバランスがとれた食事をきちんととることが大切です。鉄分の補給については、吸収率が高いヘム鉄が多く含まれる赤身の肉や魚などを上手に取り入れるように心がけましょう。

また、鉄分の吸収率を高めるたんぱく質やビタミンCが含まれる食品をとることも大切です。良質のたんぱく質、鉄、ビタミンなどを多く含む卵、肉類、レバー、魚介類、大豆類(豆腐、納豆など)、緑黄色野菜類、果物、海草(ひじきなど)などを上手にとり入れましょう。

妊娠高血圧症候群の予防のために

妊娠高血圧症候群の予防のためには、睡眠、休養を十分にとり、過労を避け、望ましい体重増加になるように心がけましょう。毎日の食事はバランスのとれた食事を心がけ、脂肪の少ない肉や魚、乳製品、豆腐、納豆などの良質のたんぱく質や、野菜、果物を適度にとり、砂糖、菓子類は控え、塩分もなるべく控えめにしましょう。

丈夫な骨や歯をつくるために

生まれてくる赤ちゃんの骨や歯を丈夫にするためには、カルシウムだけでなく、たんぱく質、リン、ビタミンA・C・Dの栄養素を含む食品をバランス良くとることが大切です。産後もバランスのよい食生活を継続し、赤ちゃんとお母さんの健康を保ちましょう。

妊娠中の葉酸摂取について

二分脊椎などの神経管閉鎖障害の発生を減らすためには、妊娠前から妊娠初期の葉酸の摂取が重要であることが知られています。

葉酸は、ほうれん草、ブロッコリーなどの緑黄色野菜や、いちご、納豆など、身近な食品に多く含まれています。日頃からこうした食品を多くとるように心がけましょう。葉酸の添付された食品やサプリメントもありますが、とりすぎには注意が必要です。

  • 神経管閉鎖障害とは、妊娠初期に脳や脊髄のもととなる神経管と呼ばれる部分がうまく形成されないことによって起こる神経の障害です。葉酸不足の他、遺伝などを含めた多くに要因が複合して発症するものです。

魚介類に含まれる水銀について

魚介類は良質なたんぱく質や微量栄養素を多く含みます。魚介類の一部には、食物連鎖を通じて、高い濃度の水銀が含まれているものもあり、胎児に影響するおそれがあるという報告もあります。一部の魚ばかりにかたよって、毎日たくさん食べることは避けましょう。

食中毒予防のために「しっかり加熱を」

妊娠中は、免疫機能が低下して、食中毒など食べ物が原因の病気にかかりやすくなっています。妊婦にとって特に注意が必要な病原体として、リステリア菌とトキソプラズマ原虫が挙げられます。
(リステリア食中毒の主な原因食品例:ナチュラルチーズ、肉・魚のパテ、生ハム、スモークサーモン)

また、お母さんに症状が無くても、赤ちゃんに食品中の病原体の影響が起きることがあります。これらの多くは、原因となる病原体が付着した食品を食べることによって起こります。日頃から食品を十分に洗浄し、加熱するなど、取り扱いに注意しましょう。